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化粧品PRの「ブライト」と「肌の奥」表現はどこまで許される?

表現の妨げになると、ややもすれば敵対視していた薬機法。うかうかと原稿を書き散らしていた20数年を大反省し、ついに重い腰を上げて薬機法の勉強を始めました。

いざ学んでみると、薬機法を遵守した広告表現は、一概に暗記したり勉強すればよいものではないことを実感。
その言葉が読んだ人にどのような印象を与えるか、そこに悪気はあるのか、煽りはあるのかなどなど…。学ぶ前は絶賛スルーしていた紙一重の言葉のチョイスが、お客さまはもちろん、厚労省の審査官の心証を大きく変えることに気づきました。

明らかにNGな言葉は学べばすぐにわかりますが、どうしてこれはよくて、これはダメなのか、微妙なラインを決めるのは、まさには「心象」。ケースバイケースだったり、「言葉だけならOKでも、そのイラストや画像と併せちゃOUTでしょ」というものもありますしね。

薬機法ってやはり法律なんですよね。大枠の指針はあっても、どう解釈するかによって、ギリギリOKだったりギリギリOUTだったりする。テクニックや知識はさることながら、結局は、人の脳みそがどう判断するか、なんですよね。

なので、薬機法を学ぶコースを受けたら、はいOK。資格を取ったら、はいOKというふうにはとてもならない。新しいお触れも頻繁に出てくるので、ずーっと勉強。
まずはOUTとOKのボーダーラインを見極める目を持つことがスタートライン。そこに立ってから初めて、クリエイティブだのどうだと言えるのですね。

という訳で、今日もお勉強。一般化粧品の洗顔料の表現例です。

『ホワイトより、ブライト。肌の奥からスキンケアで素肌の輝きが増す。』

薬機法的には、一般化粧品では「美白」「ホワイトニング」表現はアウトですよね。
じゃあ、ブライトは? 「トーンアップ」や「肌を明るく」はアウトです。ブライトは輝くという意味で、一般的なコスメでは「輝く素肌へ」などのコピーが多用されています。
じゃあ、いいんじゃない?と思いますが、これが「トーンアップ」や「肌を明るく」の意味に捉えられるとアウト。

つづくコピーを見てみると、「肌の奥からスキンケアで素肌の輝きが増す」とあります。ここで気になるのが「肌の奥」。洗顔料が肌の奥まで洗うのが気にかかるので、「毛穴の奥」、「肌の角質」などにしないと、厳しいかも。この流れから「素肌の輝きが増す」も危ないように思いますと。
一般化粧品の洗顔料で言えるのは、洗うことで肌の角質をキレイにして、または毛穴の奥をキレイにして、その結果、「肌に透明感が出る」ならよさそうですが、例文の流れで「素肌の輝きが増す」とすると、肌そのものの質を変えるととられて、OUTでしょうね。「輝いた印象」とか「輝き感」なら印象なので行けるかもです。

じゃあ、下記ならギリギリOK?

『ホワイトより、ブライトを目指そう。毛穴の奥からのスキンケアで、素肌の輝き感がアップ。』

まだまだお勉強です。マナビはまだまだ続くよ、どこまでも。

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